12.夜伽
前回の更新から1か月以上経ってしまいました。相変わらずののんびりマイペース更新です。
母が退院したその夜のこと。
一膳飯とお団子の用意。
お茶碗に白米を高盛に・・・そういえば、お母さん入院してからほとんど食べられなかったんだよなあ。
と思った私は、目いっぱいお茶碗に白米を盛りつけていたところを見ていた葬儀屋さんから、それはちょっと多すぎ、とストップがかかりました。
気を取り直して、お団子を作り盛りつけ。
「このお皿はあとで割るんだよ」と聞いて、そーなの!?なんで?と驚きを隠せない私。
なかなか普段このようなしきたりについて考える機会ないですもんね・・いや、私は、ですが。
夜はまだ肌寒い季節。亡骸となった母のそばで暖房は使えません。
そして母と同じ部屋で、父と兄と私は眠りました。
眠る前、ふと私の結婚が決まったとき母が言った言葉を思い出しました。
「お嫁に行く前に家族で旅行したいね。」
結局、家族旅行は実現しないまま。
私も兄もそれぞれ家庭を持ち、再び元の4人で同じ場所で過ごしたのは母が亡くなったこのタイミング。
きれいにお化粧してもらった母はとても穏やかに眠っているだけに見えるのに、あと数日のうちに焼かれてしまうのだな、など思いながら安定剤を頼りつつどうにか眠りました。